今回は、交流回路の基礎として、抵抗・コイル・コンデンサ単体回路における電流と電圧の位相関係について解説していきたいと思います。交流回路を考えるうえで、基本となるところです。イメージを大切に理解していって下さい。
交流回路と位相
先ずは図6-1と図6-2のような回路について考えてみたいと思います。図6-1は交流電源に抵抗Rのみ接続された回路です。図6-2は交流電源にコイル(誘導性リアクタンスXL)が接続された回路です。
ここで、誘導性リアクタンスという言葉が出てきましたが、これはコイルが、交流電源に対して、電流を妨げる大きさを表した数値です。直流では電流を妨げるのは抵抗だけでしたが、交流ではコイルやコンデンサも電流を妨げる働きをします。
ここで出てきたコイルの誘導性リアクタンスXLの単位は[Ω]です。


さて、それぞれの回路に流れる電流の波形を見てみましょう。それぞれの電流をIR、ILとすると、図6-3、図6-4のような波形になります。


先ずは、抵抗について、図6-3から抵抗を流れる電流は、電圧と波形の周期が一致し、0[deg] (0°)の値、すなわち波のスタートラインが一致します。
それに比べて、コイルを流れる電流は図6-4のように電圧と周期は一緒ですが、スタートラインが90[deg] (90°)右にずれた波形になります。
この時の位相のずれを遅れ位相といいます。
この場合は、90°位相が遅れているといいます。
それでは、コンデンサをつなげた図6-5のような回路はどうでしょうか。

このような回路では、電流は図6-6のような形になります。すなわち回路に流れる電流は周期は一緒ですが、スタートラインが90[deg] (90°)左にずれた波形になります。

この時の位相のずれを進み位相といいます。
この場合は、90°位相が進んでいるといいます。
※このようにコイルやコンデンサに流れる電流について、コイルの電流を「位相が90°遅れている」といい、コンデンサの電流を「位相が90°進んでいる」といいます。覚えておいて下さい。(電圧を基準に遅れ、進みといいます)
電流と電圧の大きさの関係について
先ずは、図6-1から。電圧の実効値をV[V]、電流の実効値をIR[A]、抵抗R[Ω]から次の式が成り立ちます。
このように、実効値で考えると、直流の式と同じように書くことができます。
次に図6-2ですが、同じく電圧の実効値をV[V]、電流の実効値をIL[A]、コイルの誘導性リアクタンスXL[Ω]から次の式が成り立ちます。
ただし、fは交流電圧の周波数[Hz]、Lはコイルの自己インダクタンス[H](ヘンリー)を示す。
最後に図6-5ですが、同じく電圧の実効値をV[V]、電流の実効値をIC[A]、容量性リアクタンスXC[Ω]から次の式が成り立ちます。
fは交流電圧の周波数[Hz]、Cはコンデンサ静電容量[F](ファラド)を示す。
つまり、誘導性リアクタンスも容量性リアクタンスも実効値で考えると、オームの法則と同じような式で表すことができることを示しています。
まとめ
今回は話が長くなってしまいましたが、交流回路を考える上で基本であり、また重要な内容となっています。式6-1から式6-5は必ず覚えるようにしておきましょう。

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