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理論⑧ 交流の並列回路 〜R・L並列回路、R・C並列回路〜

こんにちは。このブログ記事を書き始めて1ヶ月が過ぎました。当初はちゃちゃっと、記事の更新を行いたいと思っていたのですが、書いてみると、人に伝えるということが、なかなか難しいもので、日々勉強の毎日です。

さて、前回、交流の直列回路について解説しました。今回は並列回路について説明したいと思います。今回、学ぶ内容についても前回同様、実務に直結する内容となりますので、一緒に勉強していきましょう。

目次

抵抗と誘導性リアクタンスの並列回路 〜R・L並列回路〜

先ずは抵抗Rと誘導性リアクタンスXLの並列回路について、図8-1のような回路で考えてみたいと思います。

図は全て実効値を表しています。この図から次の式が成り立ちます。

IR=VR (式8−1)I_R=\frac{V}{R} (式8-1)

IL=VXL (式8−2)I_L=\frac{V}{X_L} (式8-2)

この図で抵抗Rと誘導性リアクタンスXLにかかる電圧は同じなので、この電圧Vを基準にしてベクトル図を描くと、図8-2のようになります。

このベクトル図から次の式が成り立ちます。

I=IR2+IL2 (式8−3)I=\sqrt{I_R^2+I_L^2} (式8-3)

また、力率は次のように求めることができます。

力率 cosθ=IRI=IRIR2+IL2 (式8−4)力率 cosθ=\frac{I_R}{I}=\frac{I_R}{\sqrt{I_R^2+I_L^2}} (式8-4)

なお、図からも分かるように、基準ベクトルより電流Iのベクトルが時計回り方向にあるため、電流Iの位相は遅れ位相(遅れ力率とも言う)になります。

※誘導性リアクタンスは力率を遅らせる方向に作用します。

回路が消費する電力についても求めると次のようになります。

P=VIcosθ=VIR=RIR2=V2R [W] (式8−5)P=VIcosθ=VI_R=RI_R^2=\frac{V_2}{R} [W] (式8-5)

また、電力量Wは時間をt[h]とすると、以下のような式になります。

W=VIcosθ・t=VIR・t=RIR2・t=V2R・t [Wh] (式8−6)W=VIcosθ・t=VI_R・t=RI_R^2・t=\frac{V_2}{R}・t [Wh] (式8-6)

抵抗と容量性リアクタンスの並列回路 〜R・C並列回路〜

次に抵抗Rと容量性リアクタンスXCの並列回路について、図8-3のような回路で考えてみたいと思います。先程と同じく図は全て実効値を表しています。

この図から次の式が成り立ちます。

IR=VR (式8−7)I_R=\frac{V}{R} (式8-7)

IC=VXC (式8−8)I_C=\frac{V}{X_C} (式8-8)

この図で抵抗Rと容量性リアクタンスXCにかかる電圧は同じなので、この電圧Vを基準にしてベクトル図を描くと、図8-4のようになります。

このベクトル図から次の式が成り立ちます。

I=IR2+IC2 (式8−9)I=\sqrt{I_R^2+I_C^2} (式8-9)

また、力率は次のように求めることができます。

力率 cosθ=IRI=IRIR2+IC2 (式8−10)力率 cosθ=\frac{I_R}{I}=\frac{I_R}{\sqrt{I_R^2+I_C^2}} (式8-10)

なお、図からも分かるように、基準ベクトルより電流Iのベクトルが反時計回り方向にあるため、電流Iの位相は進み位相(進み力率とも言う)になります。

※容量性リアクタンスは力率を進ませる方向に作用します。

回路が消費する電力についても求めると次のようになります。

P=VIcosθ=VIR=RIR2=V2R [W] (式8−11)P=VIcosθ=VI_R=RI_R^2=\frac{V_2}{R} [W] (式8-11)

この式は(式8-5)と同じであり、交流R-L並列回路の場合と式の形は同じになります。

W=VIcosθ・t=VIR・t=RIR2・t=V2R・t [Wh] (式8−12)W=VIcosθ・t=VI_R・t=RI_R^2・t=\frac{V_2}{R}・t [Wh] (式8-12)

この式は(式8-6)と同じであり、電力と同様に、交流R-L並列回路の場合と式の形は同じになります。

まとめ

今回は交流の並列回路について解説をしました。

直列回路の場合は、電流が共通のため、電流Iのベクトルを基準に考えましたが、並列回路は電圧が共通のため、電圧Vのベクトルを基準に考えています。考え方をしっかり理解したうえで、(式8-1)から(式8-12)を覚えるようにして下さい。

考え方を理解すると、おのずと式も導き出すことができるようになり、全てを丸暗記する必要がなくなります。また、遅れや進みといった概念もよく理解しておいて下さい。

最後まで読んでいただきましてありがとうございました。

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この記事を書いた人

電気の仕事に20年近く携わるエンジニア。第3種電気主任技術者・第二種電気工事士などの資格を保有しています。電気をシンプルにわかりやすく伝えることがモットーです。
名前の「すえきち」は、おみくじの末吉から。「これから良くなりますように」という願いを込めて、電気を勉強中の方に寄り添える解説を目指しています。

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