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配電理論と設計④|電線・ケーブルの許容電流

今回は電線やケーブルの許容電流についてお話ししたいと思います。まずは簡素化して電線で考えてみたいと思います。

目次

電線の許容電流

具体的に電気工事で使う電線で考えてみたいと思います。電気工事でよく使われているIV1.6mmについて考えてみます。この電線には何アンペアの電流を流すことができるのでしょうか?結論から言うと27[A]の電流を流すことができます。この流すことができる電流値を許容電流といいます。

前々回の記事(配電理論と設計②|電線による電圧降下と電力損失)でも書きましたが、電線には抵抗があり、その結果、電力損失が発生し、電線が熱を持つと学習しました。電線が熱を持つと電線の絶縁部分が劣化し、電線の寿命が短くなり、場合によっては事故の原因にもなります。電気工事士を目指すみなさんとしては、適切な電線の選定を行い、質の高い仕事をしてもらいたいと思います。

さてここで、許容電流値ですが、600Vビニル絶縁電線(IV線など)について、電線の太さと許容電流の関係を表14-1、表14-2に示します。

ここで、単線とより線と出てきましたが、単線とは導線部分が単一軟銅でできているもので、より線というのは細い軟銅をいくつもより合わせて太さを作っている電線のことをいいます。言葉で言われても分かりづらいですね。図14-1に単線とより線を載せておきます。

コードの許容電流

電線と同様にコードも許容電流があります。表14-3にその値を示します。なおコードとは柔らかく曲げやすい線で、例えば、ビニルコードやゴムコードがあります。

許容電流と電流減少係数

表14-1、表14-2で示しました許容電流ですが、電線やケーブルの施工条件によっては、さらに厳しい値に制限されます。金属管やPF管などの電線管に収める場合、次のような計算になります。

管内での許容電流 = 電線の許容電流 × 電流減少係数

例えば、1.6mmの単線3本を金属管に収める場合の許容電流は、表14-1、表14-4より

27[A] × 0.70 =18.9[A]

となります。また、電線管に接地用の電線を一緒に収めることがありますが、接地用の電線についてはこの本数の中には含めません。

ケーブルの電流減少係数

電線管に電線を収めて施工するのではなく、図14-2の600Vビニルシースケーブルのような多芯ケーブルを用いて施工することもあります。電流減少係数はケーブルの芯数が3本以下の場合、電線と同じく0.70となります。

例:600Vビニルシースケーブル(VVFケーブル)において、太さ2.0mmで3芯の場合の許容電流は表14-1と先ほどの電流減少係数0.70を用いて、次のように計算します。
ケーブルの許容電流 = 35[A] × 0.70 = 24.5[A]

なお、600Vビニルシースケーブルは2芯か3芯をよく使いますが、4芯ケーブルもあります。4芯ケーブルの場合、接地線・中性線・制御線として使う1本は本数に数えず、残りの3本で考えます。

※芯数とはケーブルとしてまとめられている電線の本数のことを言います。

まとめ

今回は電線、ケーブルの許容電流について解説しました。今回の内容は実務を行う上で非常に重要になってきます。新しく電線を施工する場合もそうですが、電線やケーブルを敷き直す場合に、どの太さの電線やケーブルを選定すればいいのかなど、今回の知識が必要になる場面は頻繁に出てきます。よく覚えておいて下さい。

また、許容電流については、第二種電気工事士試験の範囲や実務でよく使う範囲を中心に解説しましたが、実はもっと細かくルールが決まっています。そのルールを書いているのが内線規程という本で、一般社団法人日本電気協会から発行されています。今回解説した許容電流については、内線規程の「1340節 許容電流」に記載されています。もしみなさんの職場に備え付けてあれば、どんな内容なのか、一度見てみることをお勧めします。(私が確認した限り、残念ながらネットで無料閲覧することはできないようです。)

今回も最後まで読んでくださいまして、ありがとうございました。それではまた次回、お会いしましょう。

※本記事の表14-1〜14-4の値は、経済産業省「電気設備技術基準の解釈」第146条および日本電気協会「内線規程」を参考に作成しております。

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この記事を書いた人

電気の仕事に20年近く携わるエンジニア。第3種電気主任技術者・第二種電気工事士などの資格を保有しています。電気をシンプルにわかりやすく伝えることがモットーです。
名前の「すえきち」は、おみくじの末吉から。「これから良くなりますように」という願いを込めて、電気を勉強中の方に寄り添える解説を目指しています。

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