みなさん、こんにちは。前回は低圧幹線の設計について解説しましたが、今回は低圧分岐回路の設計と過電流遮断器の設置について解説します。
幹線から配線を分岐し、過電流遮断器を設置して、そこから照明や電動機などへ配線します。このように、幹線から分岐して機器につながる電路を分岐回路と言います。今回は分岐回路の話です。
低圧分岐回路と過電流遮断器の設置条件
幹線から分岐して回路を作る場合について話したいと思います。まずは図17-1を見てください。

図で点Aから分岐線が出ていますが、このように幹線を分岐して回路を作る場合、過電流遮断器を設置する場所は原則として分岐点から3m以下にしなければなりません。
ただし、幹線を保護する過電流遮断器の定格電流IBと分岐回路の電線の許容電流IWbとの関係が次のような場合は3mを超えて設置することができます。
ケース1:IWb≧0.35IB のとき
分岐回路の過電流遮断器を分岐点から8m以下の場所に設置することができます。
ケース2:IWb≧0.55IB のとき
分岐回路の過電流遮断器を、分岐点からどれだけ離れた場所にでも設置することができます。
(長さの制限は受けません。)
低圧分岐回路の電線の太さとコンセントの容量
さて、図17-1で解説した分岐回路ですが、電線の太さはどうしたらいいでしょうか。「電気設備の技術基準の解釈」という経済産業省の基準の中で、分岐回路を保護する過電流遮断器の種類や定格電流の大きさにより、電線の太さが表17-1のように定められています。 (「電気設備の技術基準の解釈」 第149条)

また、低圧分岐回路にコンセントを取り付けることが多々ありますが、その場合のコンセントの定格電流についても同じ「電気設備の技術基準の解釈」の中で定められており、表17-2のように定められています。

なお、表17-1、表17-2の2つの表の左側「過電流遮断器の種類」の分類は同じなので、セットで覚えると楽です。
配線用遮断器(ブレーカー)の極と素子
分岐回路につく過電流遮断器は多くの場合、配線用遮断器(ブレーカー)が使われます。
そして配線用遮断器には極と素子があります。ブレーカーの選定の際には、この極と素子の数を用途によって使い分けます。
まずは、極と素子について説明します。図17-2を見てください。

極とは、記号ではPで表され、回路を開閉する部分、スイッチとなる部分を指します。
素子とは記号ではEで表され、回路に過電流が流れた際に極を動作させる機構のことを指します。具体的にはブレーカーの場合、バイメタルや電磁コイルを指します。
図にあるように、2P2Eは極が2つ・素子が2つのブレーカー、2P1Eは極が2つ・素子が1つのブレーカーを指します。この2P1Eは、対地電圧が150V以下の分岐回路で、中性線側の素子を省略したものです(第149条で認められています)。図ではAC100Vの回路で使っています。
まとめ
今回は低圧分岐回路の設計と過電流遮断器の設置について解説しました。「電気設備の技術基準の解釈」などで決まっている規則であるため、覚えること中心になってしまいますが、丸暗記する必要はありません。まずは『こんな決まりもあったな』くらいで大丈夫です。練習問題を解きながら、少しずつ身につけていきましょう。
実務でも扱う内容ではありますが、細かな数字を覚えておくというよりは、確か決まりがあったなと思い出し、都度調べるくらいでもいいと思います。
今回も最後まで読んでくださいまして、ありがとうございました。それではまた次回お会いしましょう。

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